#
by shonanvil
| 2014-01-06 06:21
| じゃらん日記NEW
#
by shonanvil
| 2014-01-01 12:07
| じゃらん日記NEW
9月のはじめ、僕は韓国中部の深い山の中にいた。 最寄りの駅まで迎えに来てくれた69歳の詩人、金源吉さんの車で、山間のダム湖を見下ろしながら約1時間。ようやく彼の自宅に到着した。 自宅といっても、人里離れた山の斜面の広大な敷地に、韓屋と呼ばれる豪壮な伝統建築の建物が10棟。貴族の荘園のようなたたずまいに驚いた。 それもそのはず。金さんは両班(ヤンバン)と呼ばれる貴族階級の末裔で、一族の長として李朝時代から続く伝統集落を守ってきたひとなのだ。 鎌倉市と姉妹都市縁組みをした韓国・安東(アンドン)市の歴史を調べていたときに、金さんと集落のドラマチックな出来事を知り、すぐにコンタクトを取って、お宅を訪ねることにしたのだ。 安東は儒学のふるさとと言われ、鎌倉のように学問や芸術が尊ばれる古都だったが、近年は韓国南東部の水がめとして巨大なダムが建設され、アメーバが触手を拡げるように山林を広大なダム湖に変えていった。 金さんに案内された今夜僕が泊めてもらうオンドル部屋からは、眼下に満々と水をたたえたダム湖を見渡すことができた。 「ここから数キロ先、あの岬の先あたりの湖の底に、私たちの村はあったんだよ。」 窓からの風景を見ながら、金さんは波ひとつない鏡のような湖面を指さした。 一族の多くの者は政府からの補助金をもらって、次々とソウルに転居していき、金さん夫妻と年老いた両親だけが村落に残った。国の権限が強い韓国では元貴族といえどもダム建設を覆すことは容易ではない。しかし、600年続いた両班の文化をダム湖の底に沈めてしまう訳にはいかなかった。 地元の大学で現代詩を教えていた金さんは、ダム建設を期に教授の職を投げ打ち、安東の両班文化の歴史を後世に伝えるための活動を開始しすることにした。 政府と直談判し、10棟の歴史上貴重な集落と建物を丸ごと山の中腹に移築することを承諾させた。 徐々に高くなっていくダム湖の水かさに追い立てられるように、丸々4年かかって全戸の移築が完了した。集落の入口に門棟があり、長老の住まいである主屋や書院など、湖底にあったとおなじような集落が再現された。 金さんは、ここをかつて科挙を受験するする若者たちが学んだ書院と同じように、儒学や現代詩の講座を持つ学術の場として活用することに決めたのだ。 敷地内の一番高いところにある金さんの書斎に案内してもらった。寺の本堂のような空間に何列もの書棚が並び、夥しい数の書物が並んでいた。 「これはほんの一部。蔵書の大半は大学に寄贈したんだよ。」 正面の戸を開け拡げると、ここからもダム湖が一望できた。詩人はここから湖を、そして故郷だった村落が沈むその現場を見下ろしながら、本を読み、詩作し、研究者や学生を迎え入れているのか。 その夜、大型バスが門の前に着いた。年に2回、ソウルから一族がバスを仕立ててふるさとに帰ってくる日だった。 50人近い人々が広場に集まり、母屋の縁側の安楽椅子に座る一族の長老(金さんの父親)に順番に挨拶をしていく。94歳のおじいさんは、白い伝統服に身を包み、ひとりひとりの挨拶に笑顔で応えていた。 年長者を敬う儒教の教えそのままの光景が、映画の一シーンを見るように目の前で展開されていた。 一姓一村の伝統的な集落だったから、集まった人も全員金姓である。ダム建設でバラバラになって20年。いまだに年に2回、一族は長老に会いにはるばるふるさとにやってくるのだ。 長老と一族の人々との語らいは、夜遅くまで続いた。 翌朝、金さんに誘われて敷地の背後の小山に登ってみた。湖がなかった頃の、集落が谷間にひっそりとあった頃の地形が、一層はっきり感じ取れる見事な山並みが朝靄の中にあった。 ふたりで、ぼそぼそと言葉も交わしながら、湖面を見やっていた。 「昔のままの光景ですか?」 「静けさも、吹く風も、季節の花々も、昔のままだ。一族の暮らしはないけれどね。」 山を下りるときに、一冊の詩集をみやげにとくれた。日本語訳で出版された金さんの詩集だった。 ソウルに帰る一族のバスに便乗させてもらって街まで下りる車中で、詩集の中のこんな詩を見つけた。 ------------------------ ナルキッソス 真夜中の森と湖に注ぐ かすかな月の光 星たちは宝石が触れ合うような音を奏でていた カシワの森が揺れているので見ると 森からそっと現れた人影がひとつ 水辺に腹這いになって 手で落ち葉をかき寄せては 水の中を覗き込んだ 再び水をかき回してから又覗き込み・・・・・ 笑い声なのか 泣き声なのか 分からなかったのは 岸辺に寄せる波の音のせいだったろうか 頭を上げた彼が 獣のように 月を見て泣いたとき その時私は見た 彼がナルキッソスであることを ライ病にかかり顔が崩れた ナルキッソスであることを! (志賀喜美子訳) ------------------------ 他人を愛する力を奪われ、自分を愛することしか許されなくなった、ギリシャ神話のナルキッソス。 両班の末裔である自分が、なぜ敢えて現代詩の詩人の道を歩むこととなったのか。 人知れぬ葛藤や思いがあったのだろう。 鏡のような湖を覗き込み、湖底に沈んだ故郷にいつまでも思いをはせる自分に、一瞬、詩人はナルキッソスの姿を見たのだろうか。 #
by shonanvil
| 2013-12-22 12:36
| じゃらん日記NEW
#
by shonanvil
| 2013-12-18 10:31
| じゃらん日記NEW
夕陽と椰子の木とプールという、湘南ならではの背景が美しいリビエラ逗子マリーナで開催。 ビーチFM開局時の功労者トミー・スナイダー氏が「開局の苦労を共にした角田庄右衛門(故・日陰茶屋当主)がここにいないことが残念。でも、今日は連れてきました!」とバッと上着の前を広げると、庄右衛門氏の笑顔がプリントされたTシャツが。この演出に、木村太郎社長も、会場も、思わず感涙。この日一番の感動シーンとなった。 会場にはキマグレンなど音楽関係者も多数。 木村社長とは初めてお目にかかり、二言三言だけれどご挨拶。気骨のジャーナリストの顔と、柔和で遊び心を持った湘南オールドボーイの顔を併せ持つ、イメージ通りのナイス・ジェントルマン。 奥様ともお話させて頂いたけれど、素敵なご夫妻だった。 竹下由起姉さんの司会も、魅惑的な装いでGOジャス&GO快。 2ショットは、ビーチFMのベテランパーソナリティ普道はるみさんと。 右にはさりげなく、世界的イラストレイター鈴木英人氏のお姿が見える。 湘南を代表するFM局らしい、おしゃれなパーティでした。 #
by shonanvil
| 2013-12-15 19:11
| じゃらん日記NEW
|
●当サイトは、個人が発行・管理するサイトです。湘南国際村協会、管理センター、自治会等や、雑誌「じゃらん」とは一切関係ありません。 ●「おいしい店」の過去記事は営業時間、定休日など最新情報ではない場合があります。必ず事前にご自身で確認してからご利用ください。 ●トラックバック・スパムが多いため、申し訳ありませんが現在トラックバックはクローズしています。 ●コメント欄・掲示板への書込は、当サイトにふさわしくないと管理人が判断した場合には、該当書込を削除することがあります。 ● ご意見、お問い合わせはこちらへ サイト管理人 じゃらん堂 カテゴリ
最新の記事
検索
以前の記事
2019年 06月 2016年 12月 2016年 02月 2015年 09月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 2004年 05月 2004年 04月 2004年 03月 2004年 02月 その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||