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“アートな島”へ
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松江からの帰り、少し遠回りをして香川県の直島を訪ねる。

地中美術館など、ベネッセアートサイトのある島として有名なところだ。

最初の施設であるベネッセハウスが出来てもう17年になるのだが、私は今回が初めて。ここにはタレルの作品がいくつもあるので、それを見たいと思って、二日間の予定で島に渡った。

美術館や作品については、いろんなところで紹介されているのでここでは省略。現代アートは予備知識がなくても誰にでも楽しめて、島中に驚きがあふれていて楽しい二日間だった。

アート以外でも驚きがいろいろあって、まずは泊まった宿。
ベネッセハウスは高いし予約も取れないので、船の着く宮ノ浦港そばに素敵な宿を見つけた。
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旅館「志おや」。かつてこの島が塩田や漁業で栄えていた頃の鯛漁の網元だった立派な家。

三菱ので銅精錬所がフル稼働していた頃には、宴会や泊まり客でにぎわった島随一の旅館だったようだが、いまでは老夫婦だけでひっそりと経営。
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ぎしぎしと音を立てる廊下や階段は、島が栄えた頃の面影を残す、築70年のしっかりした造り。

鯛の網元らしく、夕食には鯛の煮付けが。島で生まれ育った女将の話を聞きながら大変おいしく頂く。
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かつてのにぎわい。
島に伝わる女文楽の人形使いだった若い頃。
精錬所が吐き出す有毒ガスで丸坊主になった山・・・・。

ベネッセが進出してくる前の島の様子が目に浮かぶような話だった。

もちろん部屋にバストイレはない。少し大きめの家族風呂があるだけ。

「お湯をその都度抜いてしまうお客様が時々いらっしゃるのよ」と女将。
昔風の旅館の使い方を知らない若い人が増えているのだ。
「外人さんのほうがよく知っていて、こんな古い宿の方がいいっておっしゃるの」
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これで、2食付6500円。松江に続いて、田舎のおばあさんの家に2連泊したような、懐かしい時間を過ごすことができた。

明くる日もいくつかの美術館や家プロジェクトを歩き回る。
路地を歩くと、島の人が声を掛けてくれる。

「南寺は見たか?」「タレルさんはすごいねぇ」「安藤先生の作品は・・・」

島人たちの普通の会話に、ポンポンとアーティストの名前や「作品」なんて言葉が出てくる島。
そんな島はどこを探してもないだろう。

タレルの作品の脇で、島のお年寄りがゲートボールをする。そんな光景も他では見られない。
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観光地のように、文化の隣に日常が普通にある。
島のひとにとって、アートは親しいものなのか、商品なのか、なんなんでしょうね。

「文化は経済に従属するのではなく、その逆でなければならない」というのがベネッセ会長である福武總一郎の持論だ。

島のひとの暮らしも、経済もベネッセ一色に染まっている様子は、まさに『文化による再開発』。

「三菱の精錬所に従属していた直島が、いまはベネッセ文化に従属している・・・」
そんな気もちょっとする。

でも、ある島のおばちゃんは
「これまでゲージツなんて縁がなかったけど、タレルさんの作品にびっくりして、金沢の21世紀美術館までほかのタレルさんの作品を見に行ったよ。良かったよ」

普通の主婦に美術旅行をさせるチカラも、アートは持っているのだ。

ともかく、モネ、タレル、ウォルター・デ・マリアなど、錚々たるアーティストの作品は素晴らしいものでした。

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夕暮れの瀬戸内海。向こうに高松の町並みが見える。
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by shonanvil | 2009-04-22 20:10 | じゃらん日記NEW
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