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「ウインズ・オブ・ゴッド~零のかなたへ」
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初演から20年という今井雅之の「ウインズ・オブ・ゴッド~零のかなたへ」を見た。(@新宿・紀伊国屋サザンシアター)

特攻隊がテーマということで、なんとなく興味をもてないでいたが、どっこいこれが素晴らしい舞台だった。

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貧乏のどん底にいた今井が、六畳一間のアパートで書き上げた台本で最初の公演を打ったのが20年前。無名の役者ばかりで、客席もガラガラ。
ところがこのまばらな客席にあのゴダイゴの曲でも有名な演出家・奈良橋陽子がいたことが、芝居の運命を変えていく。

奈良橋の提案で、なんと特攻隊の敵国アメリカでの公演を実現。翌年には芸術祭賞まで受賞。
以降、映画化、テレビ化、全国ツアーとファンを広げていく。

アメリカ戦艦に体当たりしていく零戦のような展開が、アメリカンドリームのようなサクセスストーリーを作り出していく。

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       ロビーには芸能人たちの花輪が並ぶ

戦争賛美でないのはもちろんだが、ごりごりの反戦演劇でもない。
軍隊並みの肉体強練で鍛え上げられた役者たちが、2時間半、息もつかせぬ強烈な肉体芝居で客を舞台に引きずり込んでいく。

私が座った2列目は飛び散る汗や唾、スモークがモロかぶり。こりゃあマッスルシアターだぜと思わせたかと思うと、客いじりのアドリブで沸かす漫才シーンなど爆笑あり。これらが「戦争」「生死観」といった重いテーマを見事にくるみ、説得力のある、しかも感動的なステージとなった。

最後には、出撃を止める主人公たちよりも、家族を守るためと出撃していく特攻隊員たちの潔さにグングン惹かれていく自分にびっくり。おっとこれはいけません。やっぱり戦争の醜さの部分に立ち戻らなければ、と我に返るあたりで芝居は終わる。
これも演出家今井の計算なのかもしれない。

関係者の紹介で、終演後の楽屋を訪ねることになった。楽屋で迎えてくれた今井さんは汗だくの体にガウンを羽織り、まるでリングをおりたばかりのボクサーのようだった。47歳とは思えない熱い肉体が、20年続いたこの芝居の激しさと息の長さの両方を物語っていた。


「紀伊國屋サザンシアター」での公演は9月9日まで。
その後、一ヶ月半の全国ツアーののち、10/25の川口公演で関東に戻り、11/3の沖縄公演で2008ツアーを締めくくる。
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by shonanvil | 2008-09-08 07:45 | じゃらん日記NEW
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