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盗掘か? 偽物か? 始皇帝の兵馬俑が日本にあった!
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えらいもんに出くわした。
愛知県知多半島の美浜。田圃道をぐんぐん入っていったその先に、ぽつんと建つ木造の蔵のような建物。
その中にまさか、秦の始皇帝の兵馬俑が眠っているとは。

前の晩、内海温泉の宿で地元のタウン誌をペラペラとめくっていたら、
「門外不出の超お宝がなぜか知多の山中に!」という記事が目に飛び込んできた。
写真を見ると、中国・西安で公開されている兵馬俑そのままの立派な土偶や、始皇帝の行列を再現した銅馬車が、巨大なガラスケースに収められて陳列されているではないか。
こりゃあ、行ってみないわけにはいかない。さっそく明くる朝、車を飛ばして行ってみた。

これだけのお宝があるというのに、近くまで行ってもそれらしき気配はどこにもない。
もし本当にあるとすれば、毎日行列ができるほどの施設になるはずだ。
近所の喫茶店でモーニング(余談だが愛知の喫茶店のモーニングは半端じゃない!) を取りながら店の人に聞いてみると「ああ、そんなところがあるとは聞いたことがあるけど。いまはもうやってないんじゃないの?」などとつれない返事。ありゃ、無駄足だったか。

ま、ともかく行くだけ行ってみましょうと、カーナビを頼りに車を進めると、谷間をどんどん進んだ先にそれはあった。
「美術の森」という看板が出されたなかなか立派な建物。が、受付には人気がない。喫茶店の人が言ったとおりもう閉館しているのだろうか。引き返そうかと思っていたところに1台の車が入ってきた。

「いやあ、すみません。町議会選挙に立候補することになってしまったんで、出かけとったもんで。」
そう言って車から出てきたのは、館長の加藤さん。一緒に戻ってきた奥さんと二人でこの「美術の森」を運営しているのだという。

入館料1200円に一瞬足が止まったが、ともかく、中を見せてもらうことに。
木戸を開けて中に案内されて、また足が止まった。
入ってすぐのホールに、立ち姿と膝を立てた姿の2体の兵馬俑が、堂々と凛々しく陳列されていたのだ。それは、テレビや写真集で何度も見た秦の始皇帝の兵馬俑そのものの、圧倒的な迫力だった。
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そしてその奥には、さらに大きなスケールで展示される、全長7,8メートルもある銅馬車。どちらも巨大なガラスケースに入れられ、美術館照明が施された、立派な展示。
なぜ、こんなものがこんなところに。その存在感に圧倒されて、しばらくは声も出ない。
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それから1時間あまり。館長が付きっきりで、展示品を案内してくれた。
秦の国の歴史、始皇帝の活躍・・・。いやいや、そんな話はどうでもいい。いったいどうして、こんなとんでもないものがこんな田舎町にひっそりとあるのか。知りたいことはその一点だ。

「入手経路は言えません。というよりも、私はあえて聞かなかった。これだけの貴重なものだから、関わった人は命がけで持ち出したに違いない。経路を知ってしまうと、どこでどう漏れてその人たちに迷惑を掛けてしまうことになりかねませんから。」

しかし、これが本物かどうか、疑わなかったのか?

「この情報を私にもたらした人は、長年のつきあいもある信頼できる人でした。私自身、美術品や骨董の世界に長く身を置いてきましたが、一目見てこれらのすばらしさに惚れ込んでしまったんです。
それにね、西安で兵馬俑が発見されたのは1974年。私がこれを入手したのはそれより前なんです。模造品の作りようがありません。」

な、な、なんと。この話が本当なら、西安での歴史的大発見の前に、どこかで誰かによって発掘され、巡り巡って日本にやってきた、ということになる。
もっとも、当時の中国は1968年の文化革命のあとの混乱のまっただ中。なにがあっても不思議ではない状況だったことは確かだ。歴史資産が破壊されたり、あるいは破壊をさけて国外に持ち出したりしたことも結構あっただろう。
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             来場者に丁寧に解説をしてくださる館長

調べてみると、日本国内で同じような兵馬俑や銅馬車が展示公開されているところが何カ所かある。NHKの見学者コースにも、中国政府から送られたレプリカが展示された時期があったようだ。西安では、優れた芸術家が集められて兵馬俑のレプリカを作るチームも作られているという話も聞いたことがある。
ここの展示品もそうしたレプリカのひとつである可能性は否定できない。

「ひとつひとつの細かな仕上げや表情の豊かさを見ると、本物か偽物かなんて議論が起きる余地すらない感動があります。私は、この感動を多くの人に伝えたいと思って、この展示を始めたんです。」

見たまま感じたまま、真贋を見極めてくれればいいという館長の言葉の通り、自分でなにを見つけ感動するかに掛かっている。
1200円の入場料を無駄金とするか、生きた感動のコストとするかは、その人の生きてきた道のりや価値観といった、人の資質そのものが答えを出す、という訳なのだろう。
館長のこの考えに、妙に賛同した私だった。

兵馬俑と銅馬車「美術の森」
愛知県知多郡美浜町布土半月85-1
0569-82-3500
9:30~17:00 不定休
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by shonanvil | 2007-03-30 23:51 | じゃらん日記NEW | Comments(8)
Commented by gaiaship at 2007-04-01 15:24
中国・西安はシルクロードの入り口として、子どものころから興味を持っている地域で、現地で兵馬俑を見たいと思っているんです。
西安で発掘される前に入手されていたとは…
この情報に感激しました。行ってみたい!

館長さん、町会議員に当選するといいですね。
Commented by じゃらん堂 at 2007-04-01 22:51 x
gaiashipさん。お久しぶりです。展示物は真に迫る迫力があります。館長が時間を掛けて熱く解説してくださるので、なかなか勉強にもなりますよ。なぜこんなところにこんなものが、を推測する楽しみもありますしね。ぜひ行ってみてください。
Commented by せつこ at 2007-04-01 23:21 x
あら!まあ!
知多半島、渥美半島から帰ってきたところです。何も調べずに
いったので、何も無いところ。。。の印象をもってしまいました。
お祭で車が完全にストップ、一人しかいない(?)お巡りさんが
汗かきながら走り回っていました。看板も少なく、沿道の
お店も開店しているのか?良く解らず、工場の煙やミキサー車
の間を走り。。大変でした。

渥美半島は三浦半島ともイメージが似てキャベツイ畑があり
ほっとしました。海岸もきれいでした。
温泉はどうでした?何処がいいのか解らず、今回は温泉無しでした。
本当は「篠島」いきたかったのですが、急で宿も取れず島も
今回はやめました。宿泊は気軽な東横イン中部国際空港(セントレア)
にしました。
Commented by じゃらん堂 at 2007-04-02 07:12 x
せつこさん。私が知多半島を回ったのは、先週末から今週初めに掛けてでした。私の方が少しだけ早かったということですね。
篠島、私も渡りたかったんですが、高速艇の貸切しかなくて結構高いんですよね。
名古屋から1時間の距離感は、東京から三浦半島までと似てますね。逗子マリーナにちょい似のチッタ・ナポリなんていうのもあったり、バブル後のリゾート地という雰囲気も、私は結構好きになりました。常滑などを中心に、若いアーチストたちが移り住んでいるのも、葉山・秋谷界隈と似てますね。
Commented by oonamazu at 2013-06-08 18:12 x
初めまして。今日その銅馬車に行ってきました。
本物か偽物か、、実際のところ確信は持てません。
その理由は"あの中国”がなんの返還請求もしていないことに有ります
てえことは、中国がいちゃもん付ければ本物らしくなり
ナニもいわなければ偽物臭く見える、、。モノを見る目が結局はヒトの評判に左右されてしまうなあと考えさせられました。
Commented by oonamazu at 2013-06-08 18:13 x
http://oonamazu.iza.ne.jp/blog/
Commented by oonamazu at 2013-06-08 18:15 x
http://oonamazu.iza.ne.jp/blog/
Commented by じゃらん堂 at 2013-06-08 23:05 x
oonamazuさん。5年も前のエントリーにコメントを頂き、ありがとうございました。いらっしゃいましたか。実際どうなんでしょうね。私もわかりません。その後館長さんは町議会議員に当選なさったのでしょうか。大きなロマンを持ってチャレンジなさる方には違いないですね。信じたいなあ。
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